仏果を得ず 三浦しをん

「仏果を得ず」 三浦しをん

文楽の義太夫修行中の健。人間国宝の師匠に翻弄されたり、寡黙で厳しい三味線とコンビを組むことになってしまったり、恋をしちゃったり。いろいろ人生に苦労しつつも文楽の道を極めるために突き進む!


おーもーしろかった!!
深く考えずにひまつぶしのつもりで読み始めたのだけど、ものすごくひきこまれました。
何せ見たことがない文楽というものにがぜん興味が出てしまったくらい。

それほど作中では文楽の魅力が熱く語られていました。1章ごとに出てくるいろんな作品も
とても興味ぶかかった。
文楽の人間国宝といえば、人形つかい?と思っていたけど、義太夫というのも、そしてもっといえば
三味線も、とても重要なんですね。
そして義太夫と三味線の間にはかたい絆が・・・(ずっと特定の人と組んだりするらしい。それを相三味線というらしい。そのへんんがいかにも三浦さんらしい書き方。って、べ、べつに腐ってなんか・・・げふんげふん^^;;)

なんだかんだ言って文楽のことしか考えてない健(そのわりに恋しちゃったりする)とか、
健の師匠の銀太夫とか、健の組む三味線の兎一郎さんとか、みんなキャラがおもしろくて
素敵なのです。
おすすめー!

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「まほろ駅前番外地」三浦しをん

「まほろ駅前番外地」三浦しをん

まほろ駅前便利屋さんの続編。
三浦さんも、いつのまにやらすっかり大人気作家になってしまい、
かなーーり予約待ちをしました。
そんなにまほろ駅前シリーズに思い入れは無いので、早く読みたいってほどでもなかったので
ま、読んでも読まなくてもいっか、くらいの気持ちでいたのですが。

読んでみたらやっぱり三浦さんは上手いなあと心底思った。

正直、前作のことはほぼ忘れてしまってるのだが^^;;

主役の一人、行天が、何か昏いものを抱えていて、でも多田と出合って世界が少し明るくなって、という、そこら辺が、私のツボなんだと思う。(まあ、この二人、男同士なんですけどね^^;;)
なんというか、欠落感を抱えながらも懸命にこの世界で生きていこうとする姿、というのが、
私の根本的なツボなんだと思う。三浦さんの作品だけじゃなくて、他の作家さんでも。たとえば、個人的意見だけど、羽海野チカさんやいしいしんじさんは私のなかでそういうくくり。

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「星間商事株式会社社史編纂室」 三浦しをん

「星間商事株式会社社史編纂室」 三浦しをん

星間商事社史編纂室に勤務するOL幸代は趣味でBL小説を書き
同人誌を作りコミケに参加するのが最大の趣味。
本業の仕事といえば、やる気のない面々に囲まれ社史の編纂は
いっこうにはかどらない。
そんなとき上司の本間課長に幸代の趣味がばれ、なんのはずみか
社史編纂室で同人誌を作りコミケ参加をするはめに。
同時に、社史編纂のために調査をすすめるなかで、会社の隠された歴史が徐々に見えてくる・・・!

最初は、三浦さん、こんなセルフ同人誌みたいな作品を商業ベースで書いちゃうの?などと思いましたが、さすがの上手さと面白さで
いっきに読んでしまいました。
アラサーOL幸代の、将来がみえない恋人といていいのか的なもやもや感やら、一緒に同人誌サークルをやってきた仲間の、結婚による脱退宣言やら、揺れる心情がリアルかつ丁寧に書かれている。
そしてもう一つのメインの社史編纂による隠された歴史をあばく、
ほうも、なかなか面白かった。


読み終えてから、なにかに似ている・・・と思ったけど、
同じ三浦さんの「ロマンス小説の7日間」 に似てるんだ。
作中作が出てくるところや、さえない(けど性格はよい)彼氏がいて将来に思い悩むところが。
そのときも、この彼氏のさえなさ、将来の見えなさな感じは
角田光代さんぽいけど、まったく印象が違うな。
と思った。
そして今回も全く同じことを思った。
三浦さんの作品には閉塞感が全くなく、角田さんの作品にはちょっとそれを感じてしまう。
単に私に合う合わないの問題なのですけどね。

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宮下奈都「太陽のパスタ、豆のスープ」

宮下奈都「太陽のパスタ、豆のスープ」

結婚2カ月前に婚約破棄された明日羽(あすわ)は、叔母のロッカさんのすすめで「ドリフターズリスト」つまりやりたいことリストを作る。それは漂流者のリスト、つまり溺れる者がつかむ藁のように、明日への力になるリストだとロッカさんは言うのだが・・・

奥付の著者紹介にある「懸命に生きる普通の人たちの輝きを瑞々しい文章で丹念に描き出した作品が支持され」とありますが、まさにそのとおり。
読後感が非常によいし、登場人物は皆、普通の人。主人公のあすわは、
リストを作ってみたものの、やりたいことなんてすぐに思いつかないし、
ちょっと何か見つけたかなと思っても、それがすぐに華々しい成功を遂げるわけでもない。
でもそれが大部分の人の生き方で、それでも毎日、きちんと生きていくことが大事なんだよ、
とさりげなく、そうっと手を添えてくれてるような。
そういう読後感が良いです。
佳作でした。

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「スコーレNo4」 宮下奈都

「スコーレNo4」 宮下奈都 光文社

これは、新聞の書評で気になった本だが、大当たり!
とてもよい本だった。

端的にいうと、麻子という一人の女性の成長物語なのですが。
可愛らしい容姿の妹との差、妹のように心底熱くはなれない自分の性格を自覚しつつ、
自分なりの核をみつけてゆく麻子の姿が好感が持てます。
従兄弟の槇の言う「僕は麻といえば、木を思い出す」というくだりは
とても素敵^^

そしてラストがこれまた素敵^^


帯のコピーは、「人生には4つの小さな学校がある。仕事、家族、恋愛。。。」

すべて読み終わって、あれ?4つめは、なにかな?と考えてしまった。

<反転>
揺らがない、自分の中でこれというもの。 かなあ?

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「銀の犬」光原百合

「銀の犬」光原百合  角川春樹事務所

ケルトをモチーフにしたファンタジー。
声を失った「祓いの楽人」オシリスと、お付きのブランの話。

「祓いの楽人」は音楽(竪琴など)を使って魔を払う。
その技を習得するには天賦の才能が必要でなろうと思ってなれるものでもなく。
妖精の女王と恋をした伝説のオシリスと同じ名を持つ
主人公オシリスの秘密は・・・

美しい描写とせつない物語を楽しみました。
確かにお互いの気持ちがあったはずなのに、どこかで食い違ってしまう哀しさ。
設定はファンタジーだけど気持ちは普遍的なもの。
まだまだ明かされない謎がたくさんあって
続きが楽しみです。

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「風が強く吹いている」三浦しをん 

「風が強く吹いている」三浦しをん 新潮社

灰二は、万引きをして逃げていた、走(かける)の走りっぷりを見て
彼を自分の住むアパートに勧誘する。竹青荘に10人がそろう日がついにきたのだ。
灰二の夢の第一歩が始まった。

弱小陸上部、ほとんどが素人、な10人で箱根駅伝をめざしちゃえ、という、
言ってみれば夢のような物語。
うそだあ、絶対むりーー
とか思いつつ、
一人一人のメンバーの魅力としをんちゃんの筆力で、
ひょっとしてひょっとしたら。
とだんだん思えてくるのだ。
走は、長距離のホープ、灰二も実力者、ではあるが他の人々は
潜在能力はあるものの、ど素人。
本当に、箱根に行けるのか。
奇跡はおこるのか。
奇跡は努力したからこそおこる可能性があるんだ。
二部構成なのですが二部はかなり感動してしまいました。

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「まほろ駅前多田便利軒」 三浦しをん

「まほろ駅前多田便利軒」 三浦しをん 文芸春秋


まほろの駅前で便利屋を営む多田。ある日、高校の同級生、
行天に出会う。いくところも仕事も住む家もないような行天は
多田の家にいついてしまう。。。

読む前からさんざん「BLぽい」と聞いていましたが(笑)
そうでもない、ような。
でもいい年した男が二人、同居して一緒に仕事して、
互いを思いやっていたらやっぱり
BLなのかな(笑)

ふつーに、いい話。でした。生きていくのに、力をもらえるような、
そんな話。
皆それぞれ、過去に傷をかかえていて、でもそれに溺れていないところが、
いい。
しをんちゃん本当に上手いわ。私にとっては、高値安定の作家さんです。

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「秘密の花園」三浦しをん

「秘密の花園」三浦しをん マガジンハウス

五十嵐那由多、聖フランチェスカ高校2年。

うーん、これだけで、すごく少女漫画な設定・・・(苦笑)
本人も書いているけど、「櫻の園(吉田秋生)」や「純情クレイジーフルーツ」みたいな。


しをんさんは、同性同士ものを書かせたら上手いなあと思う。恋愛ではないけど、友情以上。そんな
微妙な匙加減の。(まあ、ふつうのカップルものも悪くはないけど)
那由多と翠、二人の繋がりは、きっと、この時期だけのものなんだろう。女子校ならでは、なのかどうかは
分からないけど、共学よりは「ありそう」だろう。それは私の育った環境とは全く違うのだが、
それでも、なんだか分かるなあ、と思う。ようするに、私が、こういう雰囲気が好きだ、ということなのだけど。

そして文章が上手い。圧倒的な筆力。題材とテーマがシリアスだからだろうか。
デビュー作の「格闘する者に○」冒頭の小話にも感じた、力強さ。
しをんさんは男子もののほうがお好きなようだが、女子もののほうが上手いんじゃないかなあ、などと思った。


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「極め道」三浦しをん

「極め道」三浦しをん 光文社文庫

しをんさんのエッセイ第一作。書き始めのころはまだデビュー作(「格闘する者に○」)も
書かれていなくて、本当に第一作なんだなーと。。
今にいたる面白さや、パワーの片鱗は見られるけど、
まだ、ちょっと、こなれていない感はある。

「ちびまる子ちゃん」を描くまえのさくらももこの作品のような。。。(!?)

これ、光文社文庫で、入手困難みたいでしたが、気がついたら知恵の森文庫で再版されてました。

ところで、しをん て筆名なのかと思ってたけど、本名なのね。。。^^;;

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