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「天地明察」冲方丁

「天地明察」冲方丁 角川書店


ようやく読めました~!

江戸時代に初めて日本独自の暦をつくりあげた渋川春海の生涯。

碁を専門とする家系に産まれ、算学に興味をもち、関孝和とのかかわり・・・
すべてが、彼を「暦の改訂」という一大事業に向かわせ、生涯をかけてそれに挑む春海。

一言でいうと、おもしろかった!

江戸時代の暦は、中国の古い時代のものを使っていたので、400年のあいだに2日のずれが生じた。
そこで、新しい暦を制定しようと、天文実測から事業が始まり・・・

暦という、なにげなく使っているものだが、江戸時代当時、それがどれだけ大変な事業だったか
想像にありあまる。
むしろ、当時の人たち、すごすぎる。コンピューターもないのに・・・

関孝和(随所にちらっちらっと顔をだすが、なかなか登場しない。このじらしっぷりがまたうまい!)は知っていたけど、渋川春海のことは全く知らなかった。
面白いところに目をつけたなーと思うし、最後までわくわくと読ませてくれた。

冲方さんは、SFの人として一部で話題になっていたけれど、(マルドゥックスクランブル、積読だ。。。)
まさかこんなに大ブレイクするとは思ってもみなかった。
時代小説にしてはラノベっぽい言い回しなのがちょっぴり気になる部分もあるにはあるけど、
まあいいか。
次回作も楽しみです。

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「月のさなぎ」石野晶 新潮社

「月のさなぎ」石野晶 新潮社
第22回(2010年)ファンタジーノベル大賞 優秀賞(大賞作品は別にあります)

18歳までは性的に未分化の彼らは「月童子」と呼ばれ、世間とは隔絶された学園で育つ。
18歳を目前にしたある日、薄荷・空・小麦たちの生活に、小さな波紋が投げかけられ・・・

これは、なかなか素敵な小説でした。前半は、閉ざされた学園を舞台に硬質でもろく美しいガラスのうすーい層がいくつも重なりあったような、美しい物語が展開されていくのですが、それが後半ではだんだん現実味をおびてゆく。異世界ファンタジーかと思いきやそういうわけでもなくて。
そして、この作者は音楽の描写がとてもうまいです。登場人物の一人、空(くう)の歌う描写は圧巻です。
好みはあるかもしれませんが、個人的にはオススメです。

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