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「おやすみラフマニノフ」中山七里

「おやすみラフマニノフ」中山七里  宝島社

音大でバイオリンを専攻する晶は学内演奏会でラフマニノフピアノ協奏曲2番を演奏するオケのオーディションに応募し、コンマスの座を勝ち取る。首席奏者にはストラドを使う権利が与えられる のだが、そんな中、時価2億円のストラディバリのチェロが盗難にあった。監視カメラには なにも映っておらず、密室状態の盗難。犯人は誰?と皆が疑心暗鬼になるなか、 演奏会を目指して練習は続けられるが・・・

さよならドビュッシー に続く2作目。

前作で登場した岬さんがここでも登場。
ちらっちらっと前作の登場人物も顔を出します。
で、今回の主人公はいちおう晶君とチェロ奏者で音大学長の孫娘の初音さん、
探偵役が岬さん、
ということになるのかな。
しかし盗難されたのはチェロで、メインで話を進めていくのがバイオリンの晶くん。
なので、はっきりいってチェロ盗難事件は添え物程度^^;;しかも最後で明かされるトリックが・・・^^;;
正直、ミステリとしては弱いと思います。ふつうに音楽青春小説でもよかったような。
あいかわらず曲の描写はうまく、メインはラフマのPコン2番という超名曲、それに、チャイコのバイオリン協奏曲や、ベートーベンのピアコン5番「皇帝」などなど、
どれを取ってもすばらしい。
そこに、音大生ならではの悩みや頑張りなどが加わり、オケならではのメンバーの多彩さが加わるので、面白いには面白いのだけど、
ちょっと主人公のキャラが弱いような気がするのが難点だろうか。それに晶くんの一人称が
「ボク」なのがとても気になる^^;;なにかの叙述トリックなのかと思ったら別にそうではなかった。。。
豪雨のなかのチャイコンの演奏シーンとか、迫力満点で印象に残るシーンもあるのだけど。

とても描写が細かいだけに、いくつか気になってしまった点なども。
たとえば、演奏会がはじまるシーンで、「開放弦を鳴らしたあとG線からチューニング」ちがーう。
バイオリンはG線から1本ずつチューニングしていくわけではないのです。
・コンマスが弦を切ったら楽器を取りかえるのは隣の人よ~。
・ボーイングのガラミアン奏法とアウワー奏法。ボーイングのスタイルは幼いころからたたきこまれるのですぐには変えられません。奏法はたくさんあるけど運弓スタイルってもっと根本的なものなのですが。。。

なんて、重箱のすみをつつくような指摘ですみません^^;;中山さんてきっとピアノ弾きさんなんでしょうね。

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