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「照柿 文庫版上下」高村薫 

「照柿 文庫版上下」高村薫  講談社文庫

照柿(上)
照柿(上)

照柿(下)
照柿(下)

熱処理工場で働く野田達男。人身事故の現場で目撃した女に一目ぼれした合田雄一郎。 その女、美保子は達男の恋人だった。 照柿色は大阪の西日の色であり工場の炉の色であり・・・それに照らされ、 人を狂わせるような暑さの中、男たちは、じわじわと追いつめられ、ついに事件は起こる

ハードカバーから全面改稿。

私の中では合田ってどっちかというとクールで淡々としているイメージだったので、
「照柿」で、一目ぼれするわ時々激情をほとばしらせるわの合田の姿にはちょっとびっくり。
こんな人だったのか。。。こんな一面もあったのか。。。と。
ある意味レディ・ジョーカーをまた読み直したくなった。
ちなみに私の読んだ順は、レディジョーカー→マークスの山、で照柿 は読んだかどうか記憶が定かではない。


文庫版の解説にあったが、改稿といっても、刈り込んで短くなっている。
気になってハードカバーと一部照らしあわせてみると、
全体的にセンチメンタリズムが消えている。
例えば義兄の書き置きとか。
映画館で合田が美保子にかける言葉とか。

結構びっくりしました。
義兄の書き置きってハードカバーでは、こっぱずかしい程の言葉だったのね。。。

これはレディジョーカーの文庫も、どうなるのか。。。
といってもレディジョーカーで帰結する二人の立ち位置は、まさか変わるまい。
と思うのだけど。


高村さんの作品には圧倒的なリアリティがあるのは、綿密に取材を重ねて、緻密に書き込んでいるから
というのもあるけど、
こういう育ちでこういう思考の持ち主だからこういう行動をする、というところを
自分の中できっちり設定して書いているからだろう。
講談社の小冊子「インポケット」のインタビューを読んで、そう感じました。
次回作は合田42才!
きゃー!!
いったいどんな合田になっているんだろう!そして義兄さんは!?

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Comments

『照柿』の合田は熱いですよね。
というか、全編にわたって、熱くて、ふらふらしてしまう…
新連載『太陽を曳く馬』読みましたよー。
また、クールな合田でした(笑)
瑛里さんも、ご一緒に読みましょうよ~。

Posted by: LIN | September 19, 2006 06:01 PM

LINさん、コメントありがとうございます。
ほんと、合田はこんなに熱かったの!?とびっくりしました(笑)
熱処理工場の描写は息苦しくなってくるほどだし。

また、新作ではクール合田なんですね。
読みたーい!
しかし連載を追い続けられるか、いまいち自信のない私です(^^;;

Posted by: 瑛里 | September 22, 2006 12:03 AM

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