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「完全演技者」山之口 洋

「完全演技者」山之口 洋  角川書店

大学をドロップアウトし、自分の音楽を模索している修。偶然レコード屋で見つけた 強烈な印象のジャケットに引かれて聞いてみたクラウス・ネモというアーティスト。 修はそのレコードを聞いた瞬間にクラウスの声に魅いられてしまう。クラシックとテクノを ミックスしたような不思議なサウンドにも。

クラウスに会いたい一心で、恋人サラの助けを借りてNYに渡った修。そこで修の運命は音を立てて回り始めた。

まず、クラウス、ネモという人物が強烈。仮面のようなメイクと立てた髪、
カストラートのような高音から深みのあるテナーまで自由自在な声。
ネモという人物は、オフステージの時でも常に「クラウス・ネモ」でありつづけ、
素顔を見せることが無い。
というよりもすでに「素」と「アーティストとしてのネモ」が同一化してしまっている。
ここらへんのテーマが、題名の「完全演技者」ともなっているのだが。
日本語の「演技」というとちょっとニュアンスが違って「パフォーマンス」と言ったほうが近いかもしれない。
パフォーマンスとは何か。どこまで自分をそれに捧げられるのか。
考えさせられました。


それにしても作中のネモの歌、曲、パフォーマンスはとても魅力的(クラシックとテクノの融合なんて
ひょっとしてすごい好みかも)、ぜひ現実にあったら聞いて(見て)みたいものだ。
かろうじて私が思い浮かべたのはマ○スミゼル・・・^^;;

・・・と思ったら。
この人、実在の人物がモデルだそうです。というかCDジャケット見たら、そのものじゃん^^;;
私は本当に洋楽にうといのですが80年代の洋楽、ロックに詳しい人が読んだら
また違う視点で楽しめるかも。

おそらくこの人は、現代の音楽シーンにいたら凄い存在になっていたのではないだろうか。
時代を先取りしすぎたゆえの悲劇・・・ いろんな意味で。

モデルになったひと

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Comments

瑛里さん、こんにちは。ご無沙汰しています。
コメント&TBありがとうございました。

知れば知るほど、モデルとなる人物をとてもよく反映させているなあと感心しちゃうかも。
ホントホント普通に歌ってて、いきなりオペラみたいな歌い方になっちゃうの!
「エクリプス」なんて…1度聞いたら耳にこびりついて2度と離れません。
こんなサイトがあったので、張り付けておきますね。

 http://www.elephant-picture.jp/nomi/

山之口さんは『オルガニスト』もオススメです♪
「表現者としての音楽家とは」深く考えさせられます。

Posted by: 七生子 | August 21, 2006 11:35 AM

七生子さん、コメント&TBありがとうございました。
(レス遅くてすみません。汗)
ご紹介いただいたサイト見てみました。
映画(?)があったんですねー。
読むのが遅かった・・・サイトで流れてるのはご本人の
歌声ですよね?
確かにすごい。
いきなりオペラ風。。。
オルガニスト は読んだことあります。
ほんとに、音楽とは何なんでしょうねー。
私もいつも漠然と考えているような気はしますが・・・
知りたいので、音楽をテーマにした本はついつい読んでしまいます。

Posted by: 瑛里 | August 28, 2006 12:00 AM

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Tracked on August 21, 2006 11:27 AM

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