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「秋の大三角」吉野万理子

「秋の大三角」吉野万理子 新潮社

横浜の山手、ツタの学園に通う里沙。 痴漢から助けてくれたことから、バスケ部の真央先輩に憧れるようになる。 ある日、通学電車に「キス魔の痴漢」が出るという噂を聞く。 そいつらしき男に電車で遭遇した里沙だが、なんとそいつは・・・

七生子さんのところで知った本です。
最初は「ホラー風味の『マリみて』?^^;;」なんて思いながら読んでいましたが
(表紙は「ロクサヨ」風だし。。。)、
後半はやや意外な方向に進んだかな。
でも女の子の心理を丁寧に描いていて、好感が持てました。上級生への憧れとか、
友達との関係とか、ああ分かる分かる、って感じ。

いっぽうで、キス魔の正体、ネックレスの謎、など小さな謎を積み重ねて
大きな謎にもっていくあたりは読ませるし、
構成がしっかりしていて魅きつけられます。
さすが、作者はすでにTVドラマのシナリオの仕事をしているだけある。
そして文章がうまくて、さくさくと読み進める。
石田衣良さん(選考委員)言うところの「クリスピー感」?

いい意味で、「今」を感じる小説。

それにちょうど、舞台の近くの女子大(というか、モデル校かも)を訪れたばかりなので
情景が目に浮かびやすく、楽しめた。逆にいうと、まったくあのあたりを知らない
人が読んだときにはどうなのかなあと思う。

ところで主人公は中2なのだが、高校の先輩方に対する敬語の使い方がカンペキで、
どこも破綻がなかったのが、ちょっとすごいと思った(笑)ものすごく「身に付いている」感じ。
きっと作者もこういう感じの学生時代を過ごしたのでは。。。なんて思ってしまいました。

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や行の作家」カテゴリの記事

Comments

瑛里さん、こんにちは。
“ホラー風味の「マリみて」”ですか。なるほどー!
後半は、むにゃむにゃ…ですが、確かに雰囲気は似てるかも。
思春期の女の子の内面を丁寧に描いているところは、良かったし読ませましたよねー!

土地鑑がまったくないまま読んだので、
情景を思い浮かべながら読めた瑛里さんが羨ましい!
どっかの局で映像化してくれないかと、今から心待ちにしています(笑)。

Posted by: 七生子 | March 26, 2006 10:38 PM

七生子さん、こんにちは。
私、女子高に憧れがあるので(笑)
こういう話は好きなのです。
(現実に自分が女子高だったら馴染めていたかどうかは、疑問ですが^^;;)

いやほんとに、このままドラマに出来そうですよね(笑)
土地鑑が無い人が読んだらどうなのかなあ、とちょっと思うところはあるのですが。。。

Posted by: 瑛里 | March 30, 2006 01:30 AM

コメントてすとです。
スパムフィルタが実装されたらしく、
画像認証画面に飛ばされるんですが・・・
管理人なのにスパム扱い?ええ~~(^^;;
皆様もですか?

Posted by: 瑛里 | March 30, 2006 01:52 AM

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Tracked on March 26, 2006 10:32 PM

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