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「博士の愛した数式」小川洋子

「博士の愛した数式」小川洋子 新潮社文庫

博士の愛した数式


私が家政婦協会から派遣された先は、数学の研究者。でも、彼は交通事故の影響で記憶が80分しか保たないのだった。
毎日、私たちは初対面の者として出会わなければいけない。
博士は私の10才の息子に「√(ルート)」という渾名をつけてくれた。
3人でおくる静かな生活。。。

第1回本屋大賞受賞作。
記憶が80分しか保たず、メモを取ってもそのメモの存在を忘れてしまうので
身体じゅうにメモを貼り付けてある・・・博士の姿は端から見たら奇妙だし、少し哀しいと思う。
他人とコミュニケートするのが苦手で、でもおずおずと、外界と交わろうとする健気な姿勢、それは小川さんの登場人物によくある姿だけれど、その姿勢に、胸をうたれる。


博士の記憶は事故に遭ったときで更新が止まっているから、たとえば広島の投手はいまだに江夏なのだ。
対する「私」のほうもそんな博士の姿をばかにしたりせず、ただありのままの博士を受け入れ尊重し、博士とコミュニケートしようとする。それは10才のルートでさえもそうなのだ。

ここに描かれている3人の交流はひどく美しいと思う。

博士が語る数学についての解釈はとてもエレガントで美しく知的で、
こういうふうに数学を教えてくれる人がいたら、もうちょっと数学を好きになれたかも
しれないのに。。。なんて(^^;;

しかしヤマ場である「○○の公式」をイマイチ理解できなかったので
ちゃんと感動できなかったかもしれない(^^;;
そもそも虚数ってなんだっけ??という体たらくだし^^;;

それはともかく、じわーんと心にしみてくる、よい物語でした。

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