仏果を得ず 三浦しをん

「仏果を得ず」 三浦しをん

文楽の義太夫修行中の健。人間国宝の師匠に翻弄されたり、寡黙で厳しい三味線とコンビを組むことになってしまったり、恋をしちゃったり。いろいろ人生に苦労しつつも文楽の道を極めるために突き進む!


おーもーしろかった!!
深く考えずにひまつぶしのつもりで読み始めたのだけど、ものすごくひきこまれました。
何せ見たことがない文楽というものにがぜん興味が出てしまったくらい。

それほど作中では文楽の魅力が熱く語られていました。1章ごとに出てくるいろんな作品も
とても興味ぶかかった。
文楽の人間国宝といえば、人形つかい?と思っていたけど、義太夫というのも、そしてもっといえば
三味線も、とても重要なんですね。
そして義太夫と三味線の間にはかたい絆が・・・(ずっと特定の人と組んだりするらしい。それを相三味線というらしい。そのへんんがいかにも三浦さんらしい書き方。って、べ、べつに腐ってなんか・・・げふんげふん^^;;)

なんだかんだ言って文楽のことしか考えてない健(そのわりに恋しちゃったりする)とか、
健の師匠の銀太夫とか、健の組む三味線の兎一郎さんとか、みんなキャラがおもしろくて
素敵なのです。
おすすめー!

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ひそやかな花園 角田光代

「ひそやかな花園」 角田光代

あの夏のキャンプ。楽しかったあのキャンプに集っていた家族は、いったいどんな繋がりだったのだろう・・・?


毎年夏休みに、いくつかの家族が集まって行っていたキャンプ。そこに集っていた7人の子供たち。楽しかったそのキャンプは、しかし、ある年から急に行われなくなり、参加していた誰とも連絡が取れなくなってしまった。いつしか忘れていたそのキャンプの秘密を、大人になった彼らは探しはじめるが。

前半は、ミステリ風味で、話をぐいぐい引っ張りこれが面白い!そして、中盤に明るみになる、
キャンプの秘密、それが分かってからのそれぞれの葛藤・・・これが、また、ずっしりと考えさせるものでした。本当に、ものすごく考えてしまった。

でも、読後には、ありきたりだけど、生きていく力をもらえたような、
そんな本。
角田さんの作品の中ではかなりオススメです!

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「天地明察」冲方丁

「天地明察」冲方丁 角川書店


ようやく読めました~!

江戸時代に初めて日本独自の暦をつくりあげた渋川春海の生涯。

碁を専門とする家系に産まれ、算学に興味をもち、関孝和とのかかわり・・・
すべてが、彼を「暦の改訂」という一大事業に向かわせ、生涯をかけてそれに挑む春海。

一言でいうと、おもしろかった!

江戸時代の暦は、中国の古い時代のものを使っていたので、400年のあいだに2日のずれが生じた。
そこで、新しい暦を制定しようと、天文実測から事業が始まり・・・

暦という、なにげなく使っているものだが、江戸時代当時、それがどれだけ大変な事業だったか
想像にありあまる。
むしろ、当時の人たち、すごすぎる。コンピューターもないのに・・・

関孝和(随所にちらっちらっと顔をだすが、なかなか登場しない。このじらしっぷりがまたうまい!)は知っていたけど、渋川春海のことは全く知らなかった。
面白いところに目をつけたなーと思うし、最後までわくわくと読ませてくれた。

冲方さんは、SFの人として一部で話題になっていたけれど、(マルドゥックスクランブル、積読だ。。。)
まさかこんなに大ブレイクするとは思ってもみなかった。
時代小説にしてはラノベっぽい言い回しなのがちょっぴり気になる部分もあるにはあるけど、
まあいいか。
次回作も楽しみです。

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「月のさなぎ」石野晶 新潮社

「月のさなぎ」石野晶 新潮社
第22回(2010年)ファンタジーノベル大賞 優秀賞(大賞作品は別にあります)

18歳までは性的に未分化の彼らは「月童子」と呼ばれ、世間とは隔絶された学園で育つ。
18歳を目前にしたある日、薄荷・空・小麦たちの生活に、小さな波紋が投げかけられ・・・

これは、なかなか素敵な小説でした。前半は、閉ざされた学園を舞台に硬質でもろく美しいガラスのうすーい層がいくつも重なりあったような、美しい物語が展開されていくのですが、それが後半ではだんだん現実味をおびてゆく。異世界ファンタジーかと思いきやそういうわけでもなくて。
そして、この作者は音楽の描写がとてもうまいです。登場人物の一人、空(くう)の歌う描写は圧巻です。
好みはあるかもしれませんが、個人的にはオススメです。

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「写楽 閉じた国の幻」島田荘司

「写楽 閉じた国の幻」 島田荘司  新潮社
 
たしか、「このミス」ランクインの小説だったと思う。

いわゆる、写楽の謎、については、ひところ関連本を読みあさったりしました。
いまだに、明確な答えは出てないんですよね。(なかなか難しいんだろうな~)

で、この本はどうかというと、島田さんが提示してる答えは、
おお!なるほど!!と納得いくものだったし、ありそうな感じだし、根拠としてる
資料もしっかりしている。

ただ、これ、連載していたせいなのか、前半に出てくる「思わせぶり」なアイテムが
ほとんど肩すかしなのが、煽るだけ煽って、オイオイな感じです^^;;
肩すかしというか、説明不足だったり、伏線が回収されてなかったりなど。
前半で読者の気を引きつけるためにはやむをえなかったのかな~。

結論は興味深いものだから、いいんですが。

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